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【スタッツ分析】ディエゴ・コッポラ(Diego Coppola)

プロフィール

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名前 ディエゴ・コッポラ
(Diego Coppola)
年齢 21歳
国籍 イタリア
クラブ ブライトン
身長 193cm
利き足 右足
ポジション CB
市場価値 10.00m €
※6/28時点、以降同様


所属歴

移籍先 市場価値 移籍金
- - -
25/26 10.00m € 11.00m €

地元クラブであるエラス・ヴェローナのアカデミーに幼少期から在籍。2021年12月、18歳のときにセリエAでトップチームデビューを果たした。
2025年夏、プレミアリーグのブライトンへ完全移籍。移籍金は1,100万ユーロと報じられた。本人にとって初の国外挑戦となる。


プレータイム

年齢
クラブ 先発
(途中)
21/22 17 3(1) 249 0 0
22/23 18 11(8) 1,177 0 0
23/24 19 18(6) 1,634 2 0
24/25 20 33(1) 2,927 2 0
※所属クラブで出場したリーグ戦が対象

23/24シーズンの後半戦にレギュラーに定着。3バックの一角としてセリエAで出場機会を得た。翌24/25シーズンは主力としてチームを牽引。粘り強い守備対応で注目を集めた。
また、クラブでの活躍が認められ、2025年6月にはイタリア代表デビューを果たしたほか、直後のU21欧州選手権にもレギュラーとして出場した。


ポジション

ディエゴ・コッポラのポジションマップ

24/25シーズンは全試合でCBとして出場。チームが3バックを採用していたため、CCB(CB3枚の中央)を担った。24/25シーズンのブライトンは主に4バックを採用していたため、その点は未知数といえる。


スタッツ

  • スタッツはFBref及びOpta Analystから国内リーグ戦の90分あたりの成績を参照
  • スタッツの定義及び解釈はこちらの記事を参照
  • ポジションごとの出場時間はFBrefのマッチログを集計

チームスタッツ

リーグのチームスタッツ

2024-25シーズンのヴェローナは、欧州5大リーグ*1の中で最もポゼッション率が低く(38.7%)、極端なロー・ブロックスタイルで戦った。コッポラのスタッツはその影響を強く受けているため、本記事では適宜ポゼッション調整(PAdj: Possession-Adjusted)*2を用いて補正している。

ピザチャート

ディエゴ・コッポラのピザチャート

上のピザチャートは、24/25シーズンの欧州5大リーグで900分以上出場しており、最も出場時間の長いポジションがCBである345選手を比較サンプルとしている。ポゼッション調整後も、攻撃のスタッツは低く、守備のスタッツは高い。現在のブライトンのCB陣にはいない特徴を持ったタレントである。





スタッツの近い選手

ディエゴ・コッポラの類似選手

コッポラと欧州9大リーグ*3のCBの各スタッツの差分をCBのテンプレート値で加重平均して類似率を算出した。欧州大会で活躍するような有名選手は多くないものの、守備アクションの頻度が高い選手が並ぶ。以降は、主にこれらの選手に加えて、移籍先ブライトンの既存CB、ダンクやファン・ヘッケとの比較も行う。

パス

ディエゴ・コッポラのパスプロット

ポゼッション調整後のProgressive Passing Distance(プログレッシブパス総距離)は低いものの、Prog-P Distance/Pass Att(パス試行数あたりのプログレッシブパス総距離)は平均的だ。パスの試行数が増えれば、Progressive Passing Distanceも向上する可能性がある。

チャンスメイク

ディエゴ・コッポラのチャンスメイクプロット

得点に繋がるパスはごくわずかだ。とはいえ、前述のとおり、ボール保持を重視するブライトンのスタイルにフィットすれば、数値は改善される可能性がある。

ボールキャリー

ディエゴ・コッポラのボールキャリープロット

パスと同様に、ボールキャリーによる貢献も現時点では限定的。少なくともすぐにダンクやファン・ヘッケの代役を担えるとは言いがたい。

ポゼッション

ディエゴ・コッポラのポゼッションプロット

Ball Recoveries(ルーズボール回収数)は少なめだが、Dispossessed/100 Touch(ボールタッチ100回あたりのボールロスト数)は平均レベルに収まっている。ヒュルツェラー監督のベースラインには十分合致するだろう。

ディフェンス

ディエゴ・コッポラのディフェンスプロット1

ディエゴ・コッポラのディフェンスプロット2

Tackle(タックル数)やInterception(インターセプト数)といった能動的な守備アクションは、ポゼッション調整後でもサンプル上位。Block(ブロック数)やClearance(クリア数)といった受動的なアクションは平均的ではあるものの、これらのスタッツはチーム状況の影響を強く受けるため、移籍後も同程度の数字を記録する可能性は高くない。


ディエゴ・コッポラのデュエルプロット1

ディエゴ・コッポラのデュエルプロット1

対人守備では、Dribblers Tackled(1対1)とAerial(空中戦)の両方で平均以上の勝率を記録。特に空中戦は、欧州五大リーグトップクラスの試行回数の中で残した勝率であり、プレミアリーグでも通用する可能性が高い。


総評

欧州五大リーグのCCBのロールランク

当初はこの移籍に対して懐疑的だったが、攻撃のポテンシャルと守備の安定感、そして1,100万ユーロという安価な移籍金を考慮すると、長期的には良い投資に思える。
BPD*4としてファン・ヘッケのような存在になるのは難しいかもしれないが、将来的に先発に名を連ねる可能性は十分にある。





最近の話題

2025年6月17日、ブライトンへの完全移籍が発表された。契約は2030年6月末までの5年契約とのこと。


www.brightonandhovealbion.com


出典

*1:Opta Power Rankingsの上位5リーグ。詳細はこちらを参照。

*2:チームのポゼッション率(ボール支配率)との相関を考慮したスタッツの調整(補正)。「ボールを支配するチームは攻撃の機会が多くなり、ボールを支配されるチームは守備の機会が多くなる」という一般的な傾向をプレイヤーのスタッツに反映するもの。詳細はこちらを参照。

*3:Opta Power Rankingsの上位9リーグ。詳細はこちらを参照。

*4:Ball Playing Defender。パスやボールキャリーでの貢献を得意とするCB。