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分析に使用するスタッツまとめ

更新日 Ver 内容
2025-05-17 1.00 公開



Shooting(シュート)

npxG(Non-Penalty xG)

PKを除いたゴール期待値(xG: Expected Goals)。シュートが放たれる前の状況に基づき、あるシュートがゴールとなる確率を0~1の数値で表す。シュートの位置(距離・角度・配置)、シュートの種類、アシスト(パス)の質、相手選手のポジショニングなど、いくつかの変数に基づいてチャンスの質を測定する。

数値が高い場合の解釈
  • シュートが多い
  • ゴールとなる確率の高い状況からシュートを放っている
数値が低い場合の解釈
  • シュートが少ない
  • ゴールとなる確率の低い状況からシュートを放っている
代替スタッツと不採用理由
  • Goals→運の影響強
  • Shots→npxGと強い正の相関
  • xG(ゴール期待値)
    →チーム状況の影響強(PKキッカーに有利)

ef-stats.com

npPSxG(Non-Penalty PSxG)

PKを除いたシュート後ゴール期待値(PSxG: Post-Shot Expected Goals)。シュートが放たれた後の結果に基づき、あるシュートがゴールとなる確率を0~1の数値で表す。シュートのゴール内での位置やシュートの威力と軌道など、いくつかの変数に基づいてシュートの質を測定する。枠内ゴール期待値(xGOT: Expected Goals on Target)と同義。

数値が高い場合の解釈
  • 枠内シュートが多い
  • ゴールとなる確率の高い位置にシュートを放っている
数値が低い場合の解釈
  • 枠内シュートが少ない
  • ゴールとなる確率の低い位置にシュートを放っている
代替スタッツと不採用理由
  • Shots on target(枠内シュート)
    →npPSxGと強い正の相関
  • PSxG(シュート後ゴール期待値)
    →チーム状況の影響が強い(PKキッカーに有利)

note.com

G-xG

実際の得点(G: Goals)とゴール期待値(xG)の差。

数値が高い場合の解釈
  • Overperformance(≒上振れ)
  • 与えられたチャンスの質(xG)以上の成果(G)
数値が低い場合の解釈
  • Underperformance(≒下振れ)
  • 与えられたチャンスの質(xG)以下の成果(G)
代替スタッツと不採用理由
  • G/xG→xGが小さい場合に極端な値が出てしまう

npPSxG - npxG

与えられたチャンスの質(npxG)とシュートの質(npPSxG)の差。

数値が高い場合の解釈
  • 決定力(得点効率)が高い
  • 与えられたチャンスの質(npxG)以上のシュートの質(npPSxG)
数値が低い場合の解釈
  • 決定力(得点効率)が低い
  • 与えられたチャンスの質(npxG)以下のシュートの質(npPSxG)
代替スタッツと不採用理由
  • Goal conversion %(G/Sh)
    →xGとxGOTが非考慮
  • Shots on target %(SoT/Sh)
    →xGとxGOTが非考慮
  • Goals/Shots on target
    →xGとxGOTが非考慮
  • xGOT/xG
    →xGが小さい場合に極端な値が出てしまう

Normalized Shot Efficiency

npPSxG-npxGを正規化等によりnpPSxGの影響を抑制したシュート効率指標。詳細はこちらを参照。計算式は以下のとおり。

NSE = npPSxG−npxG 1+npPSxG μ σ

数値が高い場合の解釈
  • npPSxG - npxGに同じ
数値が低い場合の解釈
  • npPSxG - npxGに同じ
代替スタッツと不採用理由
  • npPSxG - npxGに同じ


Passing(パス)

Passes Completed

パス成功数。コーナーキック、スローイン、フリーキック、ゴールキックなどのセットプレーのパスも含む。

数値が高い場合の解釈
  • パス意識が高い
  • チームのパスワークへの貢献度が高い
数値が低い場合の解釈
  • パス意識が低い
  • チームのパスワークへの貢献度が低い

Progressive Passes

プログレッシブパス成功数。相手ゴール方向にボールを前進させるパス。OptaとWyscoutで定義が異なる。

  • FBref(Opta)
    直近の6回のパスのうち、最も遠い地点から10ヤード(約9.1m)以上相手ゴールライン方向へボールを移動させたパス。ただし、ピッチの守備側40%からのパスは除く。「ペナルティエリア内へのパスを含む」と記載があるが、マッチログ等を見るとPPA>PrgPの場合もあるため諸説。
  • Wyscout
    始点、終点及び距離が以下に該当するパス。

    始点 終点 距離
    自陣 自陣 30m以上
    自陣 敵陣 15m以上
    敵陣 敵陣 10m以上

数値が高い場合の解釈
  • 難易度の高いパスが多い
  • パスによりボールを前進させる意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 難易度の高いパスが少ない
  • パスによりボールを前進させる意識が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Passes into Final Third
    →距離の短いパスを含む

Progressive Passing Distance

成功したプログレッシブパスの総距離。単位はヤード。

数値が高い場合の解釈
  • 相手ゴール方向への中/長距離のパスが多い
  • パスによりボールを前進させる意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 相手ゴール方向への中/長距離のパスが少ない
  • パスによりボールを前進させる意識が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Total Passing Distance
    →横方向のパスを含む

Creativity(創造性)

xA

アシスト期待値。パスがアシストになる確率を0~1の数値で表す。パスの種類や終点、パスの長さなど、いくつかの要素を考慮する。アシストになる可能性があればシュートに繋がらなかったパスにもxAが割り当てられる。ただし、Wyscoutの定義ではシュートに繋がったパスのみからxAが算出されるため注意。

数値が高い場合の解釈
  • ゴールに繋がる確率の高いパスが多い
  • チャンスメイク能力が高い
数値が低い場合の解釈
  • ゴールに繋がる確率の高いパスが少ない
  • チャンスメイク能力が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Key Passes(キーパス)
    →シュートに繋ったパスのみ計測
  • xAG(ゴールアシスト期待値)
    →シュートに繋ったパスのみ計測

theanalyst.com

opxA/100 Live Pass Att

オープンプレー(セットプレーを除いた)パス試行数100回あたりのアシスト期待値。正式名称は「Open-Play xA/100 Live Pass Attempted」。

数値が高い場合の解釈
  • ゴールに繋がる確率の高いパスを選択する頻度が高い
  • 流れの中でのチャンスメイク能力が高い
数値が低い場合の解釈
  • ゴールに繋がる確率の高いパスを選択する頻度が低い
  • 流れの中でのチャンスメイク能力が低い
代替スタッツと不採用理由
  • xAG(ゴールアシスト期待値)
    →シュートに繋ったパスのみ計測
  • SCA (PassLive)(パスによるシュート創出)
    →シュートに繋ったパスのみ計測

Passes into Penalty Area

ペナルティエリア内へのパス成功数。セットプレーのパスは含まない。

数値が高い場合の解釈
  • チャンスに繋がる確率の高いパスが多い
  • チャンスメイク能力が高い
数値が低い場合の解釈
  • チャンスに繋がる確率の高いパスが少ない
  • チャンスメイク能力が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Key Passes(キーパス)
    →シュートに繋ったパスのみ計測
  • SCA (PassLive)(パスによるシュート創出)
    →シュートに繋ったパスのみ計測


Carrying(ボールキャリー)

Successful Take-Ons

保持時の1対1(Take-On)勝利数。

数値が高い場合の解釈
  • 1対1を仕掛ける頻度が高い
数値が低い場合の解釈
  • 1対1を仕掛ける頻度が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Take-Ons Attempted(ドリブル試行数)
    →敗北数を含む
  • SCA (Take-On)(ドリブルによるシュート創出)
    →シュートに繋ったドリブルのみ計測

Successful Take-On %

保持時の1対1の勝率。

数値が高い場合の解釈
  • 保持時の1対1が強い
数値が低い場合の解釈
  • 保持時の1対1が弱い

Progressive Carries

プログレッシブキャリー成功数。相手ゴール方向にボールを前進させるドリブル。OptaとWyscoutで定義が異なる。

  • FBref(Opta)
    直近の6回のパスのうち、最も遠い地点から10ヤード(約9.1m)以上相手ゴールライン方向へボールを移動させたドリブル、またはペナルティエリア内へのドリブル。ただし、自陣で終了するものを除く。「ペナルティエリア内へのドリブルを含む」と記載があるが、マッチログ等を見るとCPA>PrgCの場合もあるため諸説。
  • Wyscout
    始点、終点及び距離が以下に該当するドリブル。Wyscoutの名称は「Progressive Run」。

    始点 終点 距離
    自陣 自陣 30m以上
    自陣 敵陣 15m以上
    敵陣 敵陣 10m以上

数値が高い場合の解釈
  • 難易度の高いドリブルが多い
  • ドリブルによりボールを前進させる意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 難易度の高いドリブルが少ない
  • ドリブルによりボールを前進させる意識が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Carries into Final Third
    →距離の短いドリブルを含む

Progressive Carrying Distance

成功したプログレッシブキャリーの総距離。単位はヤード。

数値が高い場合の解釈
  • 相手ゴール方向への中/長距離のドリブルが多い
  • ドリブルによりボールを前進させる意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 相手ゴール方向への中/長距離のドリブルが少ない
  • ドリブルによりボールを前進させる意識が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Total Passing Distance
    →横方向のドリブルを含む

Carries into Penalty Area

ペナルティエリア内へのドリブル数。

数値が高い場合の解釈
  • チャンスに繋がる確率の高いドリブルが多い
  • ドリブルによりボールを前進させる意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • チャンスに繋がる確率の高いドリブルが少ない
  • ドリブルによりボールを前進させる意識が低い
代替スタッツと不採用理由
  • SCA (Take-On)(ドリブルによるシュート創出)
    →シュートに繋ったドリブルのみ計測


Possession(ポゼッション)

Errors

ボールロストが相手のシュートに繋がった回数。ピザチャートでは後述するDefendingに分類。

数値が低い場合の解釈
  • 失点の可能性が高い場所でのミスが少ない
数値が高い場合の解釈
  • 失点の可能性が高い場所でのミスが多い

Dispossessed/100 Touch

ボールタッチ100回あたりのボールロスト数。

数値が低い場合の解釈
  • ボールを失う頻度が低い
数値が低い場合の解釈
  • ボールを失う頻度が高い
代替スタッツと不採用理由
  • Dispossessed→ボールタッチ数の影響強

Progressive Passes Rec

プログレッシブパスを受けた回数。

数値が高い場合の解釈
  • ボールを前進させるパスを受ける意識が高い
  • オフザボールの能力が高い
数値が低い場合の解釈
  • ボールを前進させるパスを受ける意識が低い
  • オフザボールの能力が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Passes Received→横方向のパスを含む

Fouls Drawn

ファウルを受けた回数。

数値が高い場合の解釈
  • ボールキープ能力が高い
数値が低い場合の解釈
  • ボールキープ能力が低い
代替スタッツと不採用理由
  • SCA (Fouls Drawn)(ファウルによるシュート創出)
    →シュートに繋った被ファウルのみ計測

Offsides

オフサイドの回数。

数値が低い場合の解釈
  • オフサイドを回避する能力が高い
  • オフザボールの能力が高い
数値が高い場合の解釈
  • オフサイドを回避する能力が低い
  • オフザボールの能力が低い

Ball Recoveries

どちらのチームもボールを保持していない状況、またはボールに直接プレーしていない状況で、自チームのポゼッションを確保した回数。

数値が高い場合の解釈
  • ルーズボールを回収する意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • ルーズボールを回収する意識が低い


Defending(ディフェンス)

Tackles

タックル数。ボール奪取に至らなかったタックルを含む。

数値が高い場合の解釈
  • 相手のボールを奪う意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 相手のボールを奪う意識が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Tackles Won
    →ボール奪取に至ったタックルのみ計測

% of dribblers tackled

非保持時の1対1(Dribblers Tackled)の勝率。

数値が高い場合の解釈
  • 非保持時の1対1が強い
数値が低い場合の解釈
  • 非保持時の1対1が弱い

Blocks

ブロック数。シュートブロックとパスプロックの合計。

数値が高い場合の解釈
  • 相手のボールの進行を妨げる意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 相手のボールの進行を妨げる意識が低い

Interceptions

インターセプト数。

数値が高い場合の解釈
  • 相手のボールを奪う意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 相手のボールを奪う意識が低い

Clearances

クリア数。

数値が高い場合の解釈
  • ピンチを回避する意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • ピンチを回避する意識が低い

Defensive Actions

守備アクション数。Tackles、Dribblers Tackled、Blocks、Interceptions、Clearancesの合計。守備スタッツの重要度が低いアタッカーのピザチャートでは、このスタッツのみを表示する。

数値が高い場合の解釈
  • 守備の意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 守備の意識が低い


Duel(デュエル)

50/50 Ground Duels Won

ジャンプを伴わないルーズボール(50対50)の競り合いの勝利数。Ground Duels WonからSuccessful Take-OnsとDribblers Tackledを引いた値。

数値が高い場合の解釈
  • 地上戦の頻度が高い
  • 競り合いの意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 地上戦の頻度が低い
  • 競り合いの意識が低い
代替スタッツと不採用理由
  • Ground Duels Won
    →1対1(Take-On)を含む

% of 50/50 Ground Duels Won

ジャンプを伴わないルーズボールの競り合いの勝率。

数値が高い場合の解釈
  • 地上戦に強い
数値が低い場合の解釈
  • 地上戦に弱い
代替スタッツと不採用理由
  • % of Ground Duels Won
    →1対1(Take-On)を含む

Aerials Won

ジャンプを伴う競り合いの勝利数。

数値が高い場合の解釈
  • 空中戦の頻度が高い
  • 競り合いの意識が高い
数値が低い場合の解釈
  • 空中戦の頻度が低い
  • 競り合いの意識が低い

% of Aerials Won

ジャンプを伴う競り合いの勝率。

数値が高い場合の解釈
  • 空中戦に強い
数値が低い場合の解釈
  • 空中戦に弱い


調整

PAdj(Possession-Adjusted)

チームのポゼッション率(ボール支配率)との相関を考慮したスタッツの調整(補正)。「ボールを支配するチームは攻撃の機会が多くなり、ボールを支配されるチームは守備の機会が多くなる」という一般的な傾向をプレイヤーのスタッツに反映するもの。詳細は別途記事を公開予定。計算式は以下のとおり。

ポゼッション率と正の相関がある場合
  • Team Possession>50→負の補正
  • Team Possession<50→正の補正

PAdj Stat = Raw Stat × 2 1+e0.025(Team Possession−50)

ポゼッション率と負の相関がある場合
  • Team Possession>50→正の補正
  • Team Possession<50→負の補正

PAdj Stat = Raw Stat × 2 1+e−0.025(Team Possession−50)

northerngoals.substack.com


参照サイト